©︎2022 SAUNACHELIN

Reason for selection

岡山県美作市の限界集落にある大正3年に建てられた古民家・パブリックハウス「久米屋」と、その隣に建つ貯蔵蔵を改修してつくられたサウナ。
レンガ積みのストーブ(炉)に隙間があり、火を入れると煙が漏れ出してスモークサウナ状態になる。火入れと煙出しで6時間以上という準備を経て、火が消えた状態、つまり余熱で楽しむサウナで、スモーキーな香りとまろやかでどっしりとした熱に包まれるその体感は、きっと日本ではここでしか味わうことはできない。
サウナ後に、宿の囲炉裏を囲んで絶品ジビエ料理を食べながら過ごす時間も含め、非常に得難い経験が待っている。

地域おこし協力隊として従事していた一級建築士の丸山耕佑氏が、地域の人たちと協力しながら、約1年かけてすべてDIYで完成させた奇跡の空間。朝早くから炉に火を入れ、6時間以上かけてコンディションをととのえてくれるサウナは感動もの。その体感は、本場フィンランドにあるスモークサウナならではのものに近く、夕方、夜、そして朝とグラデーションのように変わっていく質感が素晴らしい。
日本の原風景の中で鳥のさえずりや蛙の鳴き声を聞きながらの外気浴、囲炉裏を囲んで食べる絶品ジビエ料理、スモークの残り香に包まれながら入る布団……日本ならではの豊かさに改めて触れられる、今こそ行くべき唯一無二のサウナと言えるだろう。